社会医療法人さくら会 さくら会病院

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整形外科

【令和5年4月から整形外科医師の退職に伴い、当面の間、入院診療は中止させていただきます】

整形外科では運動器の病気やけがを対象に診療を行っています。運動器の病気といわれてもすぐに思い浮かばないかもしれませんが、けがもしていないのに関節が痛い、腰が痛い、背骨が痛い、首が痛い、手足がしびれて動きにくいなどといった症状が出てきます。
これらは主として加齢による病気で、手足の関節が変形(変形性関節症、関節リウマチなど)してきたり、腰や背骨や首の脊椎が変形(椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症など)してきたりするために出現する症状です。
加齢による変化をなくしてしまうことはできませんが、適切な治療や進行を予防することで、より快適な生活を長く送ることができるようになります。
当院では、それらの関節疾患、脊椎疾患に対して、薬による保存的治療だけでなく、患者さまの病態や要望に応じてリハビリテーションや手術(関節鏡、人工関節、脊椎手術など)を行っています。
近年、高齢者の増加とともに、治療が必要な患者さまが増加しています。
また、当院は救急病院であり、救急搬送される骨折などの外傷患者さまも受け入れ、手術的治療が必要な場合はできるだけ早期に手術を行っています。
運動器の外傷や疾患を有する患者さまが、より快適な生活を長く送れるように貢献したいと思います。

主な対象疾患と治療法

関節疾患

変形性股関節症

股関節の軟骨がすり減って関節内で炎症が起こり、股関節の変形や破壊が起こります。
女性に多く、臼蓋形成不全と呼ばれる股関節のかぶりの浅い状態の人に多い病気です。
症状は主に痛み、股関節の動きの制限による歩行障害、日常生活動作の困難(物を拾う、足爪を切るなど)です。
治療法として、保存的に理学療法・薬物治療を第一としますが、年齢、関節破壊の程度により、人工股関節置換術、骨切り術を行います。

 

変形性膝関節症

膝関節の軟骨がすり減り、関節が変形し、炎症や痛みが生じる病気です。
中高年の方に多い病気で、女性に多くみられます。発病初期は歩き始めや階段昇降時に膝の違和感や軽度の痛みが生じます。
進行するにつれ、膝に水がたまったり、膝の変形がひどくなり曲げ伸ばしが制限され、強い痛みを感じます。
治療法として理学療法・薬物治療・関節注射などがありますが、年齢、関節破壊の程度により、人工膝関節置換術、骨切り術を行います。 

脊椎疾患

腰部脊柱管狭窄症(腰椎変性すべり症・腰椎椎間板ヘルニア含む)

脊椎疾患で多いのが「腰部脊柱管狭窄症」です。これは、背骨の腰の部分(腰椎)で神経の通り道の脊柱管が、加齢変化や腰椎が前後にずれたり(変性すべり症)、椎間板が突出したり(腰椎椎間板ヘルニア)して狭くなることで生じる疾患です。

脊椎疾患の主な症状

  • 坐骨神経痛(下肢のしびれ・痛み)
  • 痛みが強く長距離の歩行困難(間欠跛行)
  • 下肢の麻痺
  • 麻痺進行による残尿感・便秘 

治療法としては、痛みを緩和する鎮痛剤や筋肉弛緩剤を処方したり、リハビリテーションなどを行います。痛みが取れない場合は、背骨に直接薬を注射したり、炎症を取り除くためにステロイド剤を使用します。上記のような保存的治療で症状が改善されなかったり、下肢に麻痺がある場合は、手術を検討します。
後方の骨や靭帯を切除して脊柱管を広げ神経の通り道を確保する術式(椎弓切除術・開窓術)が代表的ですが、腰椎のずれを伴う場合(腰椎すべり症)には金属を使用して固定術を行うことがあります。

骨粗しょう症性脊椎圧迫骨折(椎体骨折)

骨粗しょう症は、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。骨がスカスカになると、わずかな衝撃でも骨折を起こしやすくなります。骨粗しょう症は、がんや脳卒中、心筋梗塞のようにそれ自体が生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折から、要介護状態になる人は少なくありません。
骨粗しょう症になると、骨がもろくなるために、背骨が押しつぶれるように変形してしまう骨折「脊椎圧迫骨折(椎体骨折)」を引き起こす場合があります。また、尻もちはもちろん、くしゃみをしたり、不用意に重いものを持ち上げたりといった、ちょっとしたきっかけで椎体がつぶれることがあります。
初期治療としては、安静、内服薬、コルセット、リハビリテーションなどの保存的治療が行われます。
保存的治療で緩和されない場合は、手術によって骨を移植したり、金属の棒やねじで骨を固定する外科的治療を検討することもあります。当院では、十分な保存的治療を行っても背中の痛みが改善されない方に対して、骨セメントによる経皮的後弯強制術(バルーンカイフォプラスティー:BKP)という新しい治療法を実施しています。

骨セメントによる経皮的後弯強制術(バルーンカイフォプラスティー:BKP)

さくら会病院では脊椎圧迫骨折(椎体骨折)治療時にコルセットやリハビリなどの保存的治療を十分に行なっても、腰や背中の痛みが改善されない方に対し、厚生労働省承認のBKPという新治療法を実施しています。

手術の方法

全身麻酔でうつぶせに寝た状態でバルーン(風船)状の手術器具や医療用充填剤(骨セメント)を用い、レントゲンで骨の状態を確認しながら手術します。
手術痕は小さく長期入院も不要で、痛みの早期軽減が期待できます。

経皮的後弯矯正術 手術器具

経皮的後弯矯正術 医療用充填剤

経皮的後弯矯正術 手術痕

スタッフ紹介

 

<整形外科 外来診療医担当予定表>

 午前診察

1診

 

亀井

吉村

 

太田

西村

2診

 

 

 

 

 

石澤/森竹
(交代制)

★木曜日 14時~16時 脊椎専門外来 宮本(完全予約制)

当院の医療設備

マルチスライスCT 1.5T超伝導MRI
マルチスライスCT 1.5T超伝導MRI
高速撮影が可能なため、検査時間が短く空間分解能に優れています。骨の状態の情報を豊富に得ることができます。 X線を使わず磁力で撮影します。脊椎の検査として椎間板や椎体、脊髄の観察に有用というだけでなく、神経根の抽出も可能なため、坐骨神経痛などの疾患において、どこで神経が圧迫されているかを診断することができます。