自宅退院に向けた取組み

当院では、入院中のリハビリテーションはもちろんのこと、自宅退院へ向けた取り組みにも力をいれています。入院生活から自宅生活へとスムーズに移行できるように、以下のような取り組みを行っています。

ADL室での、自宅を想定した動作練習

ADLとは『日常生活活動』という意味です。
リハビリテーション室には自宅を想定したADL室があり、自宅に退院した場合に想定されるさまざまな動作の練習を行っています。
例えば和室では、ベッドではなく自宅の布団での生活を想定した練習を行います。
キッチンでは調理動作の練習。そのほか掃除機をかけるなどの家事動作についての練習も行われています。

医療ソーシャルワーカーの配置

急性期・地域包括ケア・回復期リハビリテーション病棟のそれぞれを主に担当するソーシャルワーカーを配置しております。
入院中に発生するさまざまな相談に対して、十分に時間をかけてご相談いただくことができます。
たとえば、介護保険制度や障害者福祉制度などの相談、経済的な相談、退院後の在宅生活についての相談、転院や施設入所の相談など、相談内容は多岐にわたります。
入院から退院までのサポートをさせていただいております。
(社会福祉士の資格を持ったソーシャルワーカーが担当しています)

退院前合同カンファレンス

安心して退院していただけるよう、退院後の生活を担う地域の診療所やケアマネージャーなど関連職種と共同の退院前カンファレンスを行うようにしています。

退院前訪問指導

担当のリハビリスタッフが退院前にご自宅を訪問し、退院後の住宅環境を整えるお手伝いをします。
住宅環境を整えることで、転倒を予防したり、家族の介護負担を軽減することができます。
必要に応じて住宅改修のアドバイスを行い、住みやすい環境づくりを目指しています。

又、退院前にご自宅を訪問することで、入院中のリハビリプログラムも具体的に住宅環境を考慮した内容で実施しています。

外出・外泊訓練

自宅退院の前には、外出・外泊訓練を数回行っています。
実際に自宅でご家族と共に過ごすことで、入院中にはわからなかった問題点が出ることもあります。
その問題点を病院へ持ち帰って解決していくことで、退院後の生活に支障が出ないようにしています。
また外泊には、入院生活で失われた自宅での生活リズムを徐々に取り戻していく意味もあります。

ご家族への介護・介助方法指導

自宅生活を送るうえで、家族の介護が必要な場合もあります。
そのような場合には、どうすれば本人・家族の負担が少なく安全に介護ができるかについて、スタッフがアドバイスさせていただきます。
具体的な介助方法について入院中に繰り返し練習し、退院後の自宅生活へスムーズに移行できるようにしています。